哲学を二千年先取り
あなたは西洋哲学より深い思想はない
と思っていませんか?
目次
1 マルティン・ハイデガー
二十世紀最大の哲学者絶賛
西洋哲学で、存在と時間は切り離せないと考えられるようになっ
たのは、二十世紀最大の哲学者の一人、
ハイデガー
(Martin Heidegger 1889-1976)の頃からです。
でも、仏教では常識。
例えば仏教書『正法眼蔵』で一番有名な章が、
「有時(ウジ)の巻」ですが、
これを知ったハイデガーは
驚いてしばらく絶句した
と伝えられています。
なぜかというと、「有時」とは、「有(存在)は時なり」ということ。
一方、ハイデガーの主著の題名は、『有と時』。
今は『存在と時間』と訳されますが。
仏教の時間論は、西洋哲学を二千年先取りしていたのです。
また、晩年、鎌倉時代の仏教書、歎異抄の英訳を読んだらしく、
老後の日記に次のように記しています。
「今日、英訳を通じて、はじめて東洋の聖者親鸞を
知った。もし、十年前に、こんな素晴しい聖者が
東洋にあったことを知ったなら、私はギリシャ語や、
ラテン語の勉強もしなかった。日本語を学び、
親鸞聖人の教えを聞いて世界中に弘めることを、
生き甲斐にしたであろう。だが、おそかった」
|
「自分のそばには日本の哲学者や思想家が三十名近くも留学して
いたが、誰一人、日本にこんな偉大な人がおられたことを聞かせ
てくれなかった。日本の人達は何をしているのだろう。日本は戦
に敗けて、今後、文化国家として世界文化に貢献すると言ってい
るが、私をして言わしむれば、立派な建物も美術品もいらない。
何にもいらないから、親鸞聖人の教えを世界に宣伝して頂きたい。
商売人、観光人、政治家であっても、日本人に、ふれたら何かそ
こに、深い教えがあるという匂いのある人間になって欲しい。そ
うしたら世界の人々が、この親鸞聖人の教えの存在を知り、それ
ぞれに聖人の教えをわがものとするであろう。その時、世界の平
和の問題に対する見通しが始めてつき、二十一世紀文明の基礎が
おかれる」
|
2 ニーチェ
近代の終焉を告げる思想家
ニーチェ(Nietzsche, 1844〜1900)は、ドイツの有名な哲学者
ニーチェ(Wikipedia)
ですが、それ以後の文学・哲学に大変な影響を与えており、特
に影響を与えた哲学者、思想家だけでも、
ハイデガー、ユンガ
ー、バタイユ、フーコー、ドゥルーズ、デリダなど、あげれば
きりがありません。
ボン大学で神学を学んでいますが、「アンチクリスト」という
有名な本に、仏教について、次のように絶賛しています。
「仏教はキリスト教に比べれば、100倍くらい
現実的です。 仏教は、歴史的に見て、ただ一つのきちんと論理的
にものを考える宗教と言っていいでしょう。」
「『敵対によって敵対は終わらず』とは、ブッダが残した
感動的な言葉です。ブッダの言うことはもっともなこと。
キリスト教の土台となっている「恨み」や「復讐」と
いった考えは、健康的なものではありません。」
「残念なことに、ヨーロッパはまだまだ仏教を受け
入れるまでに成熟していません。仏教は人々を
平和でほがらかな世界へと連れていき、
精神的にも肉体的にも健康にさせます。」
「キリスト教に比べたら、仏教は100倍も誠実で客観的な
宗教です。」
|
3 ヨースタイン・ゴルデル
一番やさしい哲学の本の著者
世界の人々を魅了した、ノルウェー発の不思議な哲学ファンタジ
ー、『
ソフィーの世界』一番やさしい哲学の本として40ヵ国語近
くに翻訳された世界的ベストセラーで、日本でも120万部を突破し、
映画化もされました。
主人公はごく普通の14歳の少女ソフィー。「あなたはだれ?」
とたった1行だけ書かれた差出人不明の手紙を受け取った日から、
彼女の周囲ではミステリアスな出来事が起こっていきます。そし
て、ソクラテスやアリストテレス、デカルトやカント、ヘーゲル
など、古代ギリシャから近代哲学にいたる西洋の主要な哲学者の
大半が登場します。
ですが、
ゴルデル氏はある時、インタビューで次のように語って
います。
「大切なのは疑問をもつことです。『ソフィーの世界』
は読者がそれぞれ大切なものを見つけるための
本です。いわば哲学への入り口にすぎません。
しかし、この本には、西洋哲学のことしか書いて
ありません。
日本の若い人たちには仏教や東洋の哲学を学んで
ほしいと思います。」
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4 西田幾多郎
日本の三哲 1
日本を代表する三人の哲学者は、どんな人たちだったのでしょう。
日本の三哲のトップは、石川県出身の
西田幾多郎(1870〜1945)
西田幾多郎(Wikipedia)
です。京都学派の創始者で日本を代表する哲学者ですが、どこ
までも娘思いのお父さんだったそうです。
そんな
西田幾多郎は、圧倒的な西洋文明の影響下で、自分が生き
ることの意味を問い続け、若くして禅の世界に入りました。
やがて、4人の子供と妻、親友などに先立たれ、人生の悲哀を味
わい尽くした晩年、浄土真宗の信仰への傾斜が深く、最後の論文
を書き上げたのは、日本の敗戦が間近に迫った昭和20年でした。
個人的な人生の悲惨さだけでなく、国家の危機も深刻な問題であ
る中で書き上げられた論文は、最後に次のような文章で結ばれて
います。
「私は、これから浄土真宗的に国家というものを
考え得るかと思う。」
|
また、日経新聞には次の記事も掲載されています。
哲学者の西田幾多郎は空襲の火災を前に、
ほかの書物が燃え尽くしても「歎異抄」だけ残ればいい
と言い切った。「歎異抄」は、「哲学の動機は人生の悲哀でなければ
ならない」と見た西田だけでなく、誰にでも人間存在の悲しさ、善悪、
救済について考えさせられる。(日経新聞2007,12,29)
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5 田辺元
日本の三哲 2
日本の三哲の2人目は
田辺元(たなべはじめ, 1885〜1962)です。
第一高等学校理科を首席で卒業し、ポアンカレの『科学の価値』
マックス・プランクの『物理学的世界像の統一』など、科学的な
書物の翻訳も行っています。
またドイツへ留学し、ハイデッガー、フッサールなどと交流があ
りました。
晩年には浄土真宗の哲学に感服し、親鸞聖人を心から尊敬し、
懺悔道を説いています。
以下は晩年の書『懺悔道としての哲学』からの引用です。
「私は『教行信証』の宗教哲学をもって、西洋に匹儔
(相手)を見出だすこと困難なるごとき深さを持つ
ものと思惟せざるを得ないのである。」
「親鸞聖人の『教行信証』が私に与えた指導教化は、
ほとんど計り知れないほど大きいものである。」
「親鸞聖人は私の哲学において、学ぶべき師であり、
指導者である」 |
6 三木清
日本の三哲 3
日本の三哲の3人目は、
三木清(みききよし, 1897〜1945) です。
三木清(Wikipedia)
第一高等学校から京都大学に進み、
西田幾多郎に学びました。
さらに岩波文庫を創刊した岩波茂雄の援助でドイツへ留学。20
世紀最大の哲学者・
ハイデッガーに学んでいます。ちなみに岩波
文庫の巻末にある「読者子に寄す」は誰が書いたか書いてあり
ませんが、実は三木清です。
抜群の語学力を生かして、ヨーロッパ最先端の知的成果を取り入
れてきた
三木清でしたが、晩年は、浄土真宗の親鸞聖人の著書
『教行信証』の哲学に心酔し、
「『教行信証』は思索と体験とが渾然として一体をなした
稀有の書である。」
|
と、驚いています。
7 ショーペンハウエル
主著の結論に仏教思想
デカンショ節のデカンショは、デカルト・カント・ショーペンハ
ウエルのことですが、昔の大学生がよく勉強した、アルツール・
ショーペンハウエル(Arthur Schopenhauer 1788〜1860)は、ニー
ショーペンハウエル(Wikipedia)
チェ、ヴァーグナー、トルストイ、フロイト、ヘッセ、ヴィトゲ
ンシュタイン、ユング、アインシュタイン、森鴎外などに影響を
与えたといわれています。
ゲッティンゲン大学では最初、医学を専攻しましたが、
「人生とは元来、不安なものである。この不安の闡明に一生を懸け
ても惜しくない」と、哲学の道に進みました。
ところが、当時の最新の研究をしながら、近代西洋哲学で初めて
仏教、特に大乗仏教を研究し、
「私の哲学の結論を真理の標準とするならば、
私は他のすべてのものより仏教に優位を認めず
にはいられない」
|
といって、人生哲学の基礎の一つに据えました。
そして、31歳で、主著『意志と表象としての世界』を著します。
四部からなる構成とその内容は、仏教の教えである『四聖諦』に
類似し、最後の言葉は「無」で終わります。そこに次のような
註をつけました。
「これぞまさしく仏教徒たちの言うところの、
般若波羅密多、つまり、あらゆる認識の彼岸
である。すなわち主観と客観とがもはや存在
しない点である」
|
結局、仏教の涅槃(ニルヴァーナ)を目指し、西洋におけるロマ
ン主義的な仏教精神の源流となりましたが、この時代にはまだほ
とんど翻訳がなく、研究は困難を極めました。仏教にあこがれ、
言葉にふれはしましたが、どうしたら到達できるのかという、
仏教に説かれる深い哲理や、高度な実践に至ることはできません
でした。
結局次のように書き残しています。
『私は一介の案内者にすぎない。人生の答えは、各自が
古典や東洋の宗教をひもといて見つけてほしい』
|
8 ヤスパース
ドイツの実存主義哲学者も絶賛
ドイツの実存主義の代表者の一人、
カール・ヤスパース(Karl Theodor Jaspers 1883〜1969)は、
はじめ法律を学んだものの、医学に転向。精神科医となり、やが
て哲学者となりました。ユダヤ人の妻を持っていたため、ナチス
に強制収容所に送られる直前まで行きました。そんな厳しい現実
を生きたヤスパースは、「争い」や「死」などの「限界状況」に
直面して、挫折したり、絶望したりすることが、超越をうながす
チャンスとなる、つまり、「絶望は、自由の前提である」という
哲学を展開しました。
そんな
ヤスパースは、
「アジアに仏陀が現れたこと、これは偉大な事実である」
|
として
著書『大哲学者達』では
お釈迦さまと
龍樹菩薩を取り扱っています。
また、次のようにも言っています。
仏教の賢者は、もはや水に湿ることのない鴨(かも)
のように、世間をつらぬいて進み行く。
|
このように多くの偉人たちにたたえられる仏教には
本当の「
生きる意味」が説かれています。
それを知る鍵となる仏教に説かれる「
苦悩の根元」を、
1冊の小冊子にまとめました。
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